
なんか最近、指先がピリピリ痺れるような感じがするな・・・
すぐ治るかと思ったけれど、なかなか良くならない指先の痺れ。
こんな時はどうすればいいの?病院に行ったほうがいいの?
手に痺れが起こる原因はいろいろあります。そこで今回は、手の指先の痺れを引き起こす原因とその対策をまとめてみました。
痺れって何で起こるの?
そもそも痺れとはなぜ起こるのでしょうか。答えは”血流の悪化”と”神経の圧迫”です。
正座を長時間続けていると足が痺れてしまうのは皆さん一度は経験したことがあるとは思います。実は手の指先の痺れもそれと同じことが起こっています。
何らかの原因で長時間同じ個所が圧迫され続けることにより、血管や神経が圧迫されることでそこより末梢部分が痺れてしまうのです。
ですので、痺れを取り除くにはこの圧迫された場所を解放してあげなくてはなりません。
この手の指先の痺れの原因は何?
圧迫は様々な場所で起こります。しかし、手の指先に痺れを出すポイントはある程度決まっています。
- 頚椎(けいつい)
- 胸郭出口(きょうかくでぐち)
- 肘部管(ちゅうぶかん)
- 手根管(しゅこんかん)
リストアップするとこれくらいです。この部分たちは指先まで支配する神経の走行が筋肉や腱によって圧迫されやすい場所にあるため、このエリアでトラブルが起こるとそこより末梢部分が痺れてしまいます。
頚椎(けいつい)
頚椎は7つの骨から構成され、それぞれがしなやかに連動しながら首の動きをつかさどっています。
そして、ここから出た神経が腕神経叢(わんしんけいそう)と呼ばれる神経の束となり手へと向かっていきます。
そのため、事故によるムチ打ちや不良姿勢によるストレートネックなどにより神経が圧迫されたり炎症が起こると痺れが出やすくなります。
頚椎の神経圧迫を確認するテスト
- ジャクソンテスト
座った姿勢で上を見上げます。その時に手の痺れが出たり増悪すれば陽性となり頚椎の問題の可能性が疑われます。
この状態で大丈夫なら上を見上げたまま頭部を下方向に圧迫をかけます。圧迫された状態で痺れが出れば陽性です。
胸郭出口(きょうかくでぐち)

参照:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_outlet_syndrome.html
胸郭出口というものは首の側面につく筋肉である斜角筋(しゃかくきん)と鎖骨の下にある小胸筋(しょうきょうきん)という筋肉によって腕に向かう神経と鎖骨の下に通る鎖骨下動脈が圧迫されやすい場所で、頚椎から出た神経が圧迫を受けやすいポイントです。
この部分で圧迫されることにより起こる神経圧迫を胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)と言います。
胸郭出口症候群の圧迫を確認するテスト
- ライトテスト
下図のように症状の出ている方の手をつり革を持つような体勢に持って行った際に痺れが出たり増悪すれば陽性。実際に電車に乗っているときにつり革に捕まっているときに腕が痺れてくるというような人もこれが強く疑われます。
肘部管(ちゅうぶかん)
この部分は肘の内側にあり、尺骨神経(しゃっこつしんけい)という神経が通る場所です。
頚椎から胸郭出口と来て次に通る狭い場所がここ、肘部管です。ここが圧迫されることにより手の痺れ、特に小指、薬指あたりにビリビリとした痺れが出てきます。肘部管が圧迫されて起こるものを肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)といいます。
肘部管症候群のテスト
- チネルサイン
下図のように肘の内側にある部分をトントンと叩打すると、手の指先へビリビリと痺れが走ると陽性となり、肘部管症候群が疑われます。
手根管(しゅこんかん)
最後に圧迫を受けやすい場所になるのが手根管です。手根管は手首の手のひら側にありちょうど手首のシワの出来るあたりになります。
ここで圧迫を受けると正中神経(せいちゅうしんけい)という神経が圧迫されやすくなり、親指から中指あたりのエリアが痺れやすくなります。そしてこのエリアが原因で起こる痺れのことを手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)と言います。
手根管症候群のテスト
- ファレンテスト
下図のように両手の甲を合わせて下に向けてしばらくしていると手の痺れが悪化してくるようであれば陽性となります。
どうすれば治るの?
原因となり得る場所は以上のようなエリアとなります。そしてそこで引っかかったものがあるのであれば、そのエリアをしっかりと緩め神経と血管の流れをスムーズにしてあげることが大切です。
また、そのエリアだけに限らずその周りの筋肉や全身の血流も改善していくことが改善への近道となります。
自分で出来るセルフメンテナンス
- 温める
まずは温めてあげましょう。温める場所は首、わきの下、肘、手首です。とくに首はガチガチに固まっていることが多いためしっかりと温めてあげて緩ませてあげましょう。熱めのシャワーで温めていくのも効果的。シャワーの温熱と水圧でマッサージ効果もあるためオススメです。
- マッサージ
次におこなってほしいのは関連する筋肉をほぐしていくセルフマッサージ。
一番ほぐしていきたいポイントは”小胸筋”(しょうきょうきん)
鎖骨の下についているこの筋肉は下に神経や血管が通るためここが固まってしまうと手の痺れが出やすくなります。
デスクワークやスマホを長時間使うことが多くなった現代はこの筋肉が固まることが多いためしっかりほぐしましょう。
小胸筋マッサージ
- 症状の出ている側の鎖骨の下のへこみを見つける。
- そのへこみにある硬い筋肉(小胸筋)を見つける。
- 反対の手でその筋肉を円を描くようにマッサージする。
- 30~60秒マッサージして腕全体が温まってきたら終了。
しっかりと温めて循環を良くし、自分でマッサージをしてさらに循環をよくしていきましょう。またスマホやパソコンの使い過ぎは手の痺れを増強させる原因となりやすいため、極力控えるようにしていきましょう。
軽い痺れ程度であればこのセルフメンテナンスでも十分に治る可能性があります。
しかし、重度の痺れや事故後などに一気に増悪してきたような痺れはなかなかセルフメンテナンスでは治らなくなってきます。そういう場合はすみやかに専門医を受診し、治療を受けましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。最後にまとめます。
- 手の痺れを引き起こす原因は神経と血管の圧迫によるもの。
- 圧迫されやすい場所は頚椎、胸郭出口、肘部管、手根管。
- 改善していくにはその周辺の筋肉を緩ませ神経と血管の循環を良くする。
- セルフケアには温熱と小胸筋マッサージ。
- 事故後の痺れや急激に悪化した痺れは専門医の診察を受けるべき。
手の痺れは気持ち悪く、いち早く治したいものです。
あまりにつらく、しんどいものはなるべく早く専門医を受診することをオススメします。
あなたの身体は大切な資本です。
元気で健康的で、何にでもチャレンジできる人生を送りましょう!
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